すべてが暗雲

海を見渡しても島影は見えない。後方には後戻りの出来ない巨大な崖が屹立している。これは、この場に居を構えて、墓碑銘を刻む作業をするしかないのである。傷を縫合してみたところで、見せかけだ。抜糸される時は来ない。根っこが腐りきっている。八方塞がりというのは、結末ではなく、最初からそうだったのだ。始原からすべて、八方塞がりで手詰まりだった。俺が気づいてないだけだった。最初から詰んでいるゲームをプレーさせられるという欺瞞。絶望や失望は予定調和。本来ならゲーム開始と同時に失意を抱いておくべきだった。棺の中に入れられたまま生きろと言われても困るのである。