2010-01-24から1日間の記事一覧

敗残兵の白骨化

修行僧の振りをして錫杖を手に持って、編み笠を被りながら敗走する。枯れ草色の僧衣で迷彩した身体には、崩れていった数多の希望がのしかかる。遠雷のように、俺の脳髄に響いてきて、それは呪詛を呟き続ける。果てしなく上昇できるような揚力は妄想でしかな…

無為

先発隊として意気揚々として、天衣無縫な心で、俺は旅に出たはずだ。開拓し世界を変えるのは当然の結末だと確信していた。しかし現状、すべてを失っただけである。戦意は萎えた。厭戦気分が心を支配する。安ホテルの窓硝子には死相の男が映るだけ。薄暮に染…